2022年11月8日 皆既月食


皆既中の天王星食というレアなイベントが起こった皆既月食でした。
できるだけ雲がかからないところを選んだ結果、下伊那まで移動することになってしまいました。

月食の経過

FS-60C+f6.2フラットナー(D:60mm f:372mm) EOS Kiss X7 ISO800 3枚を明合成

今回は月食の全過程が入る画角にしたため、赤道儀で恒星時追尾をして撮影しました。(体のよい放置)
そのため皆既前、皆既中、皆既後の画像を合成すると本影の形がゆがんで見えます。
また、食分が大きかった(より本影の深くまで入り込んだ)ため、皆既中の月は暗く赤みが強いように感じました。
全過程のコマ撮り動画はこちらから。

   
 2022年11月8日 20時44分29秒 露光 0.6秒
FS-60C+f6.2フラットナー(D:60mm f:372mm) EOS Kiss X7 ISO800
 2022年11月8日 19時12分29秒 露光 1/2秒
FS-60C+f6.2フラットナー(D:60mm f:372mm) EOS Kiss X7 ISO800

今回の月食でのターコイズブルーは上の画像のように撮影できました。
皆既食中の月は地球の大気を屈折して通り抜けた赤い光が月面を照らすため赤色に見えますが、
本影の周辺にオゾン層を通り抜けてきた青色の光があたるため、皆既直前・直後の月面に青い光が映ると説明されています。
もっともこの現象が知られるようになったのは、デジカメで月食が撮影されるようになってからのこと…
今回の月食は撮影条件の違いがあるのでしょうが、2011年の皆既月食に比較して地味なように思いました。
地平高度が2011年の時より低かったことが影響しているのでしょうか…



天王星食

 
 2022年11月8日 20時44分29秒 露光 0.6秒 FS-60C+f6.2フラットナー(D:60mm f:372mm) EOS Kiss X7 ISO800
潜入の様子です。天王星は淡い水色に見えていました。
10秒程度かけて隠されると某ホームページで紹介されていましたが、実際は月縁に接してから20秒弱かかったように見えました。
コマ送り動画はこちら。
 
2022年11月8日 20時44分29秒 露光 0.6秒 FS-60C+f6.2フラットナー(D:60mm f:372mm) EOS Kiss X7 ISO800
出現の様子です。月のほぼ下端に出現しました。ちょうど月が欠けていた部分だったので6等級の天王星でも撮影できました。
もし明縁からの出現だったら、撮影が困難であったと思われます。
コマ送り動画はこちら。




星  野

皆既中は月の明るさがぐんと落ちるので、暗い星まで見えるようになります。
この日ははくちょう座からカシオペア座にかけて天の川を見ることができました。


2022年11月8日 19時37分34秒〜38分26秒 露光 8秒x6
 TAMRON 17-50mm F2.8 を 17mm F3.5 で使用 EOS Kiss X5(IR改造) ISO1600
デフュージョンフィルター使用
『赤い三連星』 東天の赤みを帯びた天体3つ(左から火星、おうし座のアルデバラン、皆既中の月)を撮影しました。
火星は小接近を迎えていて十分な赤さと大きさで写ったのですが、アルデバランは少々期待外れでした。
2011年の時のようにガイド撮影を行えばよかったのかもしれません。
この撮影場所は航空路の下にあるためか非常に航空機の通過が多く、どのコマにも必ず航跡が写ってしまいました。
そこで暗合成を行った後でコンポジットを行いこの画像を得ました。

2022年11月8日 20時40分49秒〜41分40秒 露光 8秒x6
TAMRON 17-50mm F2.8 を 17mm F3.5 で使用
EOS Kiss X5(IR改造) ISO1600
デフュージョンフィルター使用

『赤い四連星』
皆既食の終わりギリギリのタイミングでオリオン座のベテルギウスが昇ってきたため、赤い4つの天体集合というコンセプトで撮影しました。
光害が少ないこの地でも、東の空は関東圏の光害で南アルプスや伊那山地の稜線が8秒という短時間露光でもハッキリと写ります。この冬の電力逼迫が懸念されているので、空をこれほど明るく照らしてしまう電力の使い方には?を感じます。



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